住宅ローン「借りられる額 vs 返せる額」金融マン15年の私が教える、適正返済額の出し方

本記事は住宅ローンに関する金融マン15年の実体験を解説するものです。特定の金融機関商品の推奨は含みません。アフィリエイトリンクも本記事には設置していません(教育記事のため)。

▼ ふくについて(書き手の旗)

金融機関で15年、お金の判断を見続けてきた金融マンです。住宅ローン・教育ローン相談を数え切れないほど担当しました。妻と二人三脚で家計を整え、両親2名のスマホ移行も担当。現在は水戸で単身赴任マネージャー2ヶ月目。
数字は説得の武器ではなく、あなたが判断するための共有道具として届けます。

▼ 正直に言います

私はかつて、住宅メーカーの営業さんから「年収の7倍まで借りられますよ」と言われたお客様が、その金額をそのまま借りようとする場面を、数え切れないほど見てきました。

そのたびに私は、お客様の家計表を一緒に開き、家族構成を聞き、将来の教育費を計算しながら、「借りられる額と返せる額は別物です」と伝えてきました。

金融機関で15年。「借りられる額」を売り込むトークと、「返せる額」で顧客を守る視点。両方を内側から見てきた私が、住宅ローンを検討しているあなたに、本当に知ってほしいことを書きます。

「年収の7倍まで借りられます」と言われた、私の顧客の話

あるご夫婦が、住宅メーカー経由で私の元に相談に来られました。
世帯年収700万円。営業さんから「年収の7倍、約4,900万円までローンが組めます」と言われ、その額の住宅プランを進めている、と。

私はまず、家計表を一緒に開きました。
お子さんが2人。下のお子さんは保育園。
10年後、12年後、お子さんが大学に進学する時期に、教育費がピークを迎えます。
その時期、住宅ローンの返済は10年目を過ぎたあたり。元本もまだ多く残っている。

電卓を一緒に叩いて、私は「適正返済額は、月10万円までです」と提示しました。
4,900万円のローンだと、月の返済は約14万円。
「月4万円、教育費の貯蓄に回せなくなります」と数字で説明しました。

そのご夫婦は、住宅プランをワンランク下げる決断をされました。
後日、「あの時数字で示してくれて、助かりました」とお礼を言われたのを、今も覚えています。

金融機関15年の私が見た「営業トークの罠」

正直に言います。
住宅ローンの営業現場では、こういう構造が動いています。

▼ 構造
・住宅メーカーは家を大きく売りたい
・不動産会社は仲介手数料を大きくしたい
・金融機関は融資額が大きいほど収益が出る

三者すべてが「借りられる額の上限」を提案する動機を持っています。

この構造の中で、「いくら返せるか」を一緒に考える人がいないと、お客様は「借りられる額=買える家のサイズ」と認識してしまいます。

私が金融機関で15年やってきたことは、この構造の中で「返せる額の現実」を、お客様自身に数字で気づいてもらうことでした。
営業さんを否定するのではなく、お客様の家族構成・将来の支出と一緒に、適正額を再計算する。
そうやって信頼を得てきました。

『借りられる額』と『返せる額』はまったく別物です

借りられる額:金融機関の融資基準(年収・勤続年数・他借入)から逆算した、貸せる上限額
返せる額:あなたの家計・家族構成・将来支出から逆算した、無理なく返せる現実額

「借りられる額」は金融機関側の理論値。返済能力を「審査基準」だけで判定したものです。
あなたの家庭の事情(保育園代・将来の教育費・親の介護・趣味・旅行)は織り込まれていません。

「返せる額」は、あなた自身が家計表を開いて、数字で出すしかない。
これは銀行員には出せません。なぜなら、あなたの家庭の優先順位を知らないからです。

数字は、誰かに説得されるためのものではない。あなたが自分で判断するためのものです。

私が顧客と一緒に作った「適正返済額」の計算式

難しい数式ではありません。電卓を1回叩くだけです。

▼ ふくが顧客と一緒に出してきた計算式

適正返済額(月)
= 手取り月収 × 0.20〜0.25

= 銀行の審査基準(35%)よりかなり低い

具体例:手取り月収40万円のご家庭なら、月8〜10万円が適正返済額です。
銀行の審査では月14万円まで通りますが、子供の教育費・将来の不確実性を考えると、月8〜10万円に抑えるのが現実的です。

0.20〜0.25」という数字は、私が金融機関で多くの家計を見てきた中で、「無理せず子供の教育費も貯められる」家庭が共通して採用していた比率です。

年収別シミュレーション(教育費・老後を考慮)

あなたの年収で、いくらが適正返済額か。具体的に見てみましょう。

年収 手取り月収(目安) 適正返済額(月) 借入額目安(35年)
500万円 約32万円 6.4〜8.0万円 約2,200〜2,800万円
700万円 約44万円 8.8〜11.0万円 約3,000〜3,800万円
900万円 約55万円 11.0〜13.7万円 約3,800〜4,700万円

※ 金利1.5%・35年・元利均等返済で試算。手取りは概算(社会保険・税金控除後)。

この表の借入額が、銀行で言われる「借りられる額」よりかなり少ないことに気づくと思います。
その差額が、あなたの家族と過ごす将来の余裕です。

「アパートの家賃の代わり」というセールストークの真実

住宅ローンの営業現場でよく聞くトークがあります。

「今のアパートの家賃と同じくらいの返済額で、マイホームが買えますよ」

これは半分正しく、半分は隠れたコストを見せていません。

マイホームには、家賃にはなかった支出が発生します:

  • 固定資産税(年10〜20万円)
  • 火災・地震保険(年2〜5万円)
  • 修繕積立(将来の屋根・外壁修繕に月1〜2万円相当)
  • 町内会費・ゴミ袋などの地域費

これらを合計すると、家賃と同じ返済額のローンを組んでも、毎月+2〜3万円の固定費が乗ります
「家賃の代わり」ではなく、「家賃 + 隠れた固定費 = マイホームの実質負担」が正しい認識です。

私はお客様にこの話をする時、いつも電卓を一緒に叩いて、「家賃 + 隠れたコスト」の現実額を示してきました。

この考え方が向かない人(向く人)

「借りられる額ではなく返せる額で考える」という私の提案が向かない人もいます。

・収入が今後確実に大きく増える見込みがある人(医師・士業など)
・親からの援助が大きく、ローン負担が実質軽い人
・「今すぐ理想の家に住みたい」という優先順位が、教育費より上の人

▼ 向く人

・子供の教育費を確実に貯めたい人
・家族との時間・趣味の予算を削りたくない人
・「家のために生活が苦しくなる」のを避けたい人
・銀行の審査基準を「上限」ではなく「警告ライン」として捉えたい人

今日の3ステップ

▼ 5分で、あなたの家計を守る判断ができます

電卓を1回叩く
手取り月収 × 0.20〜0.25 = あなたの適正返済額

② 銀行で言われた「借りられる額」と比較する
その差額が、あなたの家族と過ごす将来の余裕です

③ 家族と話す
数字を持って、夫婦で「私たちの家計の現実」を確認する

数字は、誰かに説得されるためのものではありません。
あなたが、家族と一緒に判断するための共有道具です。
金融機関15年で、私が伝え続けてきたことです。

▼ ふくから、あなたへ

住宅ローンは、人生で最も大きな金融判断のひとつです。
銀行や住宅メーカーの「借りられる額」に流されず、あなた自身の「返せる額」で判断してください。

その判断ができれば、月数万円の余裕が生まれ、それは子供の教育費や、家族との週末の時間に変わります。
節約ではなく、「家族の未来を選ぶ判断」です。

私はあなたの「同行者」として、これからも数字で並走します。

💬 あなたの場合は、どうですか?

この記事を読んで「自分の場合はどうだろう」と思った方は、ぜひお問い合わせから状況を教えてください。個別の事情によって判断は変わります。同じ状況の方の参考にもなるので、お気軽にどうぞ。

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最終確認:2026-05-16|MVV「正直」「数字で語る」準拠 / 数字は説得の武器ではなく、あなたが判断するための共有道具です

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